Q.私の父は日本人で、私の母はアメリカ人です。私はアメリカで生まれ、現在もアメリカで生活しています。日本の父の戸籍に登録があるものの、アメリカの市民権を持っていて、パスポートもアメリカのものです。このたび日本に住む叔父が死去し、アメリカにある不動産が私に譲られることとなりました。この不動産は、日本において相続税の申告対象となるのでしょうか?

A.アメリカにおいて生活していて市民権を持っていても、二重国籍であれば日本の国籍を持っていますので、非居住無制限納税義務者に当たります。それゆえ、国内・国外のあらゆる財産に相続税が課されますので、アメリカにある不動産についても、日本の相続税の申告対象とされます。

ご質問のケースについては、あなたは日本国籍で外国に住所があり、叔父は日本に住所がありますので、あなたは非居住無制限納税義務者に当たります。したがって、国内・国外のあらゆる財産に相続税がかかります。
ちなみに、原則として、日本においては二重国籍が認められていません。例えば、アメリカの市民権を取得した場合は、一定期間内に領事館等に対して国籍喪失の届出を行い、日本国籍を失うこととなります。また、出生時より二重国籍であった場合は、22歳になるまでにいずれかの国籍を選ぶ必要があります。
ただし、次のように、一部例外的に二重国籍が認められています。
・1985年の改正国籍法施行時において20歳以上であり、かつ、それ以前より二重国籍であった人については、日本の国籍が認められます。
・上記以外の人で22歳までに国籍を選ぶべき人が、期限内に国籍を選ばなかった場合は、日本国籍を選んだものとして扱われます。