事業承継を考える上でのポイントを教えてください。

事業承継を考える上でのポイントは、次の5つです。
・後継者をどうするのか?
・経営権対策をどうするのか?
・株価・相続税をどうするのか?
・納税資金をどうするのか?
・争族対策をどうするのか?

1.後継者の選択
後継者をまず決めないことには、事業承継をスタートすることができません。子供等の親族に承継するのか、又は会社のことを熟知する従業員に承継するのか、さらには、第三者へのM&Aを検討するのかを意思決定することが必要です。

2.経営権対策
事業を引き継いだ後継者が安定的に経営していくためには、後継者に自社株や事業用資産を集中的に承継させる必要があります。特に自社株は、会社が意思決定する際の株主総会における議決権に影響します。したがって、後継者以外の子供がいる場合の遺留分等にも配慮して、いかに自社株を後継者に集中させるかが、事業承継を考える上で重要となります。

3.株価・相続税
自社株の評価額が高い場合、後継者は多額の相続税を負担することになりかねません。将来、相続が発生した際に、自社株や事業用資産にかかる消費税の負担をいかにして軽減するかが、ポイントとなります。

4.納税資金
一般的に中小企業オーナーの財産構成は、自社株や事業用資産が大半を占めています。これらの財産は換金性がないため、いかにして相続税の納税資金を確保するかがポイントとなります。オーナーが金融資産を所有していたとしても、自社株や事業用資産の後継者への集中を考えると、後継者でない子供への配慮もしなければならず、多額の資金が必要となることがあります。

5.争族対策
子供の1人を後継者として、自社株等の財産の承継を集中させる場合、後継者でない子供の遺留分を侵害しないように配慮し、相続発生後に親族間の財産争いが生じないようにすることが重要です。